【和訳】2021年オフシーズンにまつわる10の質問
引用元:
(現地7月12日に書かれた記事です)
NBAチャンピオンはまだ決まってないが、他の28チームはドラフトとその数日後に始まるFA期間(ドラフトは現地7月29日、FAは現地8月3日から)に向けて既にオフシーズンモードに入っている。
カワイ・レナードはクリッパーズに残るのか、レイカーズはどうやって3人目のスター選手を獲得するのか、次はどのオールNBAプレイヤーがトレードされるのか...
これらは、今オフに答えが出るかもしれない。
これらのような注目されている事柄を質問形式で10個にまとめてみた。
2021-22シーズンのサラリーキャップは新型コロナウイルスの影響を受けていますか?
ほとんどのプレーオフの試合でファンの来場者数はほぼ定員であるにもかかわらず、NBAはパンデミックによる経済的な打撃を受けている。
その結果、サラリーキャップは今シーズンから3%増である112.1Mになると予測されていると関係者はESPNに語った。
増加幅が小さいことは、リーグ全体の支出に影響を与える。
ESPNは、今オフキャップスペースがあるのはホーネッツ、ヒート、ニックス、スパーズの4チームのみと予測している。
2017年は15チーム、2018年は9チーム、2019年は14チームにキャップスペースがあった。
マーベリックス、ラプターズ、ブルズもこのグループに加わる可能性があるが、そのためにはそれぞれティム・ハーダウェイJr、カイル・ラウリー、ラウリ・マルカネンを諦める必要がある。
サンダーは最大で36Mのキャップスペースを作ることができるが、大きなトレードエクセプション(27.6M〜9.6M)を持っており、これらを維持するためにサラリーキャップをオーバーしているチームとして振る舞うことになるだろう。
FAが最も多いポジションはどこですか?
今オフのFAの人材は平均的だが、層が厚いのはPGだろう。
クリス・ポールはサンズと再契約あるいは契約延長をする可能性が高いが、それでも市場にはスタータークラスのPGが多くいる。
カイル・ラウリー、マイク・コンリー、ロンゾ・ボール(制限付きFA)、スペンサー・ディンウィディー、デニス・シュルーダー、レジー・ジャクソン、ケンドリック・ナン(制限付きFA)、デボンテ・グラハム(制限付きFA)、キャメロン・ペインだ。
特にラウリーとシュルーダーの動向は、他のガードたちにドミノ効果をもたらすだろう。
例えば、ラウリーがヒートと契約し、シュルーダーがブルズと契約した場合、スターターPGが欲しくてかつお金を用意できるチームはニックスとマーベリックスだけとなる。
レイカーズはシュルーダーの代わりに9.5MのフルMLEを使うか、サイン&トレードで選手を獲得することとなるだろう。
また、デマー・デローザン、ハーダウェイ、ノーマン・パウエル、ダンカン・ロビンソン、ダグ・マクダーモット、ジョシュ・ハート、ケリー・ウーブレJr、ゲイリー・トレントJrといったウイング陣も、キャップスペースのあるチームから関心を集めそうだ。
クリス・ポールのサンズとの再契約は有力か?
ファイナルが終わった後、ポールは44.2Mのプレイヤーオプションの進退を決めなければならない。
行使しないのであれば2年間の契約延長(Over−38ルールのため最大2年間しかできない)をするか、FAになるかどちらかだ。
もしFAになったとしてもサンズと再契約を結ぶのが有力だ。
サンズは、他チームと比べて長い年数(他チームは3年、サンズは4年。こちらもOver−38ルールのため)と金額を提示できることに加えて、FAが最も重要視する2つの項目である短期的(長期的にも)に優勝を狙えるロスターと、オフコートでの生活の質を兼ね備えている。
ニックスは、ポールの元エージェントであるレオン・ローズが球団社長を務めているので名前が挙げられるだろうが、ニックスのロスターはサンズのロスターと比べるまでもないだろう。
ポールは現役生活で総額300M以上を稼ぎマックス契約も3度結んだが、より良い契約を結ぶよりも優勝を目指すことの方が重要という時期に来ているはずだ。
カワイ・レナードとクリッパーズはどうなりますか?
2年前のオフシーズンは、レナードの去就が決まらなかったことによってオフシーズンが一時的に停滞した。
最終的にクリッパーズと契約を結んだが、2021年にプレイヤーオプションが含む契約だった。
2021年になるとレナードのNBAキャリアは11年目となり、マックスサラリーはサラリーキャップの35%となるため、プレイヤーオプションを付けたのはビジネス的な駆け引きによるものといえるだろう。
FA期間になれば、レナードが短期契約を結んだのがビジネス的な理由によるものなのか、クリッパーズ以外の選択肢を模索する前提だったのかが明らかになるはずだ。
もし後者であれば、レナードは今オフで最も魅力的なFAとなり、ふたたびオフシーズンを停滞させる可能性がある。
レナードに最も高い金額を提示できるチームはクリッパーズだが、過去にはスパーズやラプターズの契約を断っている。
もしレナードが市場に出るとしたら、ニックス、マーベリックス、ヒートなどが候補に挙がるだろう。
ニックスには39Mのキャップスペースがあるが、マーベリックスとヒートが普通に契約を結ぶためにはサラリーダンプを行うこと必要がある。
ヒートの場合はロビンソンとナンを含む全てのFAをリナウンスし、ドラギッチとイグダーラのチームオプションを破棄することで29Mのキャップスペースを作ることができる。
マーベリックスの場合はハーダウェイをリナウンスし、コーリー=ステインのチームオプションを破棄し、リチャードソンをトレードするかプレイヤーオプションが破棄されれば34Mのキャップスペースを作ることができる。
レイカーズには何ができますか?
今オフレイカーズがレブロン・ジェームズやアンソニー・デイビスと組む3人目のスター選手を獲得することはほぼないだろう。
レイカーズはサラリーキャップを超えており、自チームからFAになる選手と再契約をする以外の選択肢は限られている。
自チームからFAになるのはシュルーダー、カルーソ、ホートン=タッカーの3人だ。
この3人と再契約を結ぶと、ラグジュアリータックスの対象となり、残りのロスターを5.9MのミニMLEとミニマム例外条項で埋めることとなる。
シュルーダーを放出し、カルーソとホートン=タッカーと再契約し、ハレルがプレイヤーオプションを破棄した場合でも使用できるのは5.9MのミニMLEに制限されることとなるだろう。
サイン&トレードという選択肢もあるが、143Mのハードキャップとなるため、レイカーズはハレルに加えてクズマかコールドウェル=ポープの放出が必須となる。
クズマの3年39M、コールドウェル=ポープの2年17Mの契約を引き受けてくれるチームはあるのだろうか?
例えば、ネッツにクズマと22位指名権放出してディンウィディーというのはどうだろうか?
クズマの13Mは、ネッツの多額のラグジュアリータックスをさらに増やしてしまう。
デローザンはレイカーズにとって良い補強になるだろうが、スパーズはコールドウェル=ポープ、クズマ、22位指名権で満足するだろうか?
サイン&トレードで選手を獲得するとレイカーズはカルーソやホートン=タッカーを失うことになり、ミニマム契約でその穴を埋めることとなるだろう。
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次にトレードされるオールスターは誰ですか?
直近3年のオフシーズンには、それぞれ3人のオールスターがトレードされている。
2020年のクリス・ポール、2019年のアンソニー・デイビス、2018年のカワイ・レナードだ。
2021年にそういった選手が現れるかは分からないが、もしいるとしたらデイミアン・リラード、ブラッドリー・ビール、ベン・シモンズが候補となるだろう。
ブレイザーズのGMニール・オルシェイは、リラードの将来はポートランドにあると断言している。
デイムと私はいつも会話をしているんだ。
デイムの幸せはいつも勝利を中心に回っている。
その最終的な責任は我々フロントオフィスがチームをまとめることだ。
デイムはポートランドを離れたくない、トレイルブレイザーとして引退したいと思っていて、そのことを関係者にも伝えているんだ。
来シーズン、ブレイザーズがカンファレンスファイナルに出場した2019年に結んだ4年176.3Mのスーパーマックス延長契約の1年目を迎える。
ブレイザーズは直近2シーズン、いずれもファーストラウンドで敗退している。
今シーズン多くの逆境を乗り越えてプレーオフの出場を果たしたウィザーズだが、トミー・シェパードGMは、ロスターに変化が必要だと考えている。
しかしウィザーズはサラリーキャップを超えていて、ラグジュアリータックススペースは10Mしかなく、イシュ・スミス、ハウル・ネト、ロビン・ロペス、アレックス・レンがFAになりベンチが薄くなる可能性があることを考えると、変化は容易ではない。
ビールは、2022年にNBAキャリア11年目となるため、10月1日からサラリーキャップの35%の契約延長を結ぶことができる。
36.4Mのプレイヤーオプションを取り消して2022−23シーズンからの4年の延長の場合、初年度は40.5Mで総額は181.5Mとなる。
ウィザーズがビールに契約延長で提示できる金額は、2022年のオフににキャップスペースを持つチームが提示できる金額よりわずかに7M多いだけだ。
契約延長を結ばず2022年のオフにFAになれば、契約延長より総額で54M多い金額をウィザーズは提示することができるので(ラリーバード例外条項が使えるため)、ビールが契約延長を断ったとしてもそれは退団を望んでいるというわけではない。
しかしそうなるとウィザーズはフランチャイズの運命を左右するような決断に迫られることとなる。
FAになる可能性があるということは見返りなしでビールを失うリスクがあるということだ。
そのリスクを冒してでもビールをキープするのか、はたまたトレードするのか。
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ベン・シモンズは、ホークスとのプレーオフシリーズで大失敗をしたばかりであり、トレードしようとしても不利な立場となるだろう。
シモンズはオフェンス面での欠点はあるものの、直近2シーズンではオールディフェンシブファーストチームに選出されており、まだ25歳にもなっていない。
シモンズの契約は残り4シーズンで147M残っている。
ESPNのエイドリアン・ウォジナロウスキー記者は、シクサーズがシモンズをフランチャイズの中心的存在として維持することを約束していると6月下旬に報じていた。
2018年のドラフト指名選手の契約延長の総額は1000Mを超えますか?
1年前、ジェイソン・テイタム、バム・アデバヨ、ドノバン・ミッチェル、ディアーロン・フォックスに代表される2017年のドラフト指名選手たちの契約延長の総額は1000Mを超え、NBAレコードとなった。
この記録は早速今オフに破られるだろう。
ディアンドレ・エイトン、ルカ・ドンチッチ、トレイ・ヤング、シェイ・ギルジャス=アレクサンダー、マイケル・ポーターJrだけで860Mに到達することが予想される。
この5人がマックスルーキー延長を結べばそれだけでNBAレコードとなる。
さらにミケル・ブリッジス、ケビン・ハーター、コリン・セクストン、ドンテ・ディビンチェンゾ、マイルズ・ブリッジス、ロバート・ウィリアムズ、ジャレン・ジャクソンJrを加えれば、1200M以上となることが予想される。
FAで話題にあがらないワイルドカードのチームはありますか?
グリズリーズはFAでもトレードでも大きな動きをすることができる。
グリズリーズはジャスティス・ウィンズロウの13Mのチームオプションをどうするかについて、決断に迫られている。
もしグリズリーズがオプションを行使するならば、今オフはサラリーキャップを超えているチームとして動くこととなり、破棄するならば22Mのキャップスペースを生むことができる。
サラリーキャップを超えることを選択した場合、13人の選手との継続性に加え、1巡目指名選手を追加することとなる。
健康なジャクソンと選手育成のみでプレーインを避けることができるのだろうか?
もしグリズリーズがそのような保守的なアプローチを取った場合、来年のオフシーズンに大きな問題に直面するだろう。
ジョナス・ヴァランチュナス、カイル・アンダーソン、タイアス・ジョーンズ、ウィンズロウ(チームオプションを行使した場合)は2022年にFAとなる。
また、今オフのジャクソンとグレイソン・アレンの契約延長のことも考えなければならない。
グリズリーズの好むやり方ではないが、アンダーソン、ブルックス、ウィンズロウ、複数の1巡目指名権(9個持っている)をパッケージにオールスターを獲得するということもできる。
リスクは高いが、「プレーオフチーム」からコンテンダーになれる可能性の高い動きになるだろう。
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目立たないが注目すべきFAはいますか?
リショーン・ホームズとダグ・マクダーモットだ。
ホームズは、キングズの2シーズンで88試合にスターターで出場し、平均13.5得点、8.5リバウンドを記録した。
2年契約だったため、キングスが提示できる初年度のサラリーの上限は10.7Mで、これは他チームがフルMLEで提示できる金額よりわずかに1.2M多い金額だ。
ホーネッツはコディー・ゼラーとマリク・モンクが移籍すると20.5Mのキャップスペースが生まれ、かつセンターを欲しがっているチームだ。
マクダーモットは、平均13.6点、FG%53.2、eFG%63.2、3.4リバウンド、ORTG110.5のキャリアハイを記録した。
またORPMでは全スモールフォワードで6位にランクインしている。
オールスターブレイク以降はFG%56.1、3P%41.5を記録した。
ペイサーズはラグジュアリータックススペースが11Mであり、マクダーモットと再契約を結ぶとタックスラインを超えてしまう。
他に注目すべきポイントはありますか?
- ジョエル・エンビードがシクサーズと4年190Mのスーパーマックス契約延長を結ぶ可能性がある
- ケビン・デュラント、ジェームズ・ハーデン、カイリー・アービングはネッツと契約延長を結ぶのか?
- ペリカンズのFAでの選択肢
- ジョン・コリンズの制限付きFA
- ウォリアーズが5.9MのミニMLEとミニマム例外条項でベンチを再構築すること
- ケビン・ラブの将来について、チームUSAはトレード価値を高めるのか