【和訳】グリズリーズのオフシーズンの動き:次のステップに進むにはどうする必要があるか
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今シーズンのグリズリーズは大方の予想より良い成績を残した。
レギュラーシーズンでウォリアーズに抜かれ9位となってしまったが、プレーイントーナメントでアップセットをして最終的に8位シードを獲得することができた。
1位シードのジャズとのシリーズは1−4で敗れてしまったものの、グリズリーズのロスターはNBAで3番目に若く、来シーズンはそのうちの13人の契約が残っているので、来シーズンは更に良くなるはずだ。
次のステップに進むというだけではなく、オフシーズンの大きなポイントはジャスティス・ウィンズロウの13Mのチームオプションだ。
グリズリーズがオプションを破棄した場合、ロスターの強化のためにFAに20Mのキャップスペースを使うことができる。
ではグリズリーズは何をするべきなのか、ということを見ていこう。
次のステップへ
グリズリーズは”Grit and Grind”時代終了後のロスターの再構築で高い評価を得ている。
マルク・ガソル、マイク・コンリーをトレードすれば競争の激しいウエスタンカンファレンスで最下位になってもおかしくはないだろう。
ところがグリズリーズはトレードでヨナス・ヴァランチュナス、グレイソン・アレン、ディアンソニー・メルトンを獲得しロスターを再構築し、
ドラフトではジャ・モラント、ブランドン・クラーク、ジャレン・ジャクソンjr、デズモンド・ベイン、ゼイビア・ティルマンsr、ディロン・ブルックスを指名し、
FAでは制限付きFAのカイル・アンダーソンとタイアス・ジョーンズを獲得することができた。
その結果、グリズリーズは昨シーズンプレーインに出場し、今シーズンはプレーオフのファーストラウンドに出場することができたが、14M以上の契約を結んでいる選手は1人もいない。
グリズリーズは全てにおいて正しい選択を行ったが、ファイナルあるいはカンファレンスファイナルに出場するためには戦力としては不十分かもしれない。
グリズリーズの若いチームなので、今オフに保守的な動きをし、今の路線を継続していれば批判されるような結果にはならないだろう。
13人の選手の契約が残っており、そのロスターに17位指名選手を追加し、育成をしながら、今シーズン11試合のみの出場にとどまったJJJが健康を維持できればウエスタンカンファレンスのトップ6に食い込む可能性もあるだろう。
だがもし保守的に2021−22シーズンを終えた場合、来オフに大きな問題に直面するだろう。
ヴァランチュナス、アンダーソン、ジョーンズ、ウィンズロウ(チームオプションが行使された場合)は来オフにFAとなる。
またJJJとアレンの進退も決めなくてはならない。
一応グリズリーズはアンダーソン、ウィンズロウ、ブルックス、複数の1巡目指名権(7年間で9個持っている)をパッケージに、チームに不満を持ったオールスター選手を獲得するということもできる。
グリズリーズのフロントオフィスがそうすることは考えにくいが、実行すれば”プレーインチーム”から”コンテンダー”になれるかもしれない。
ただそれで上手く行かなかった場合、プレーインチームから最下位クラスのチームになってしまうかもしれないというリスクがある。
ジャスティス・ウィンズロウの未来
グリズリーズは2020年のオフシーズンに大きなキャップスペースを作ることもできたが、代わりに2020年2月にウィンズロウとウェイターズ(すぐに解雇)を引き取り、3月にブルックスの契約を延長してキャップスペースを無くした。
ウィンズロウはの来シーズンの契約はチームオプションだ。
行使するならばサラリーキャップを超えたチームとして動くことになるが、破棄すればグリズリーズは22Mのキャップスペースを空けることができる。
ウィンズロウは獲得時に負傷しており、デビューは今シーズンからになったが、72試合中26試合の出場に留まった。
2016-17シーズン以来、ウィンズロウは様々な怪我で192試合を欠場している。
ウィンズロウは健康であれば2015年ドラフト10位の才能の片鱗を見せていたが、今シーズンはルーキー以来最低の平均6.8点、フィールドゴール成功率は35.2%だった。
加えてオンコートでは-6.4で、タイアス・ジョーンズをローテーションから外してウィンズロウをバックアップPGに置くということは効果がなかった。
今シーズンのウィンズロウは12Mではなくミニマム契約クラスといっても過言ではないだろう。
怪我の多さとプレーレベルのみを考えたらオプションを破棄した方が良さそうだが、ウィンズロウを獲得したトレードは将来性を見据えたものだったはずだ。
22Mのキャップスペースよりも、オフシーズンによって健康になる可能性のあるウィンズロウを加える方がリスクが低く魅力的だろう。
キャップスペースは一見魅力的だが、グリズリーズには既に13人の選手がおり、このオフシーズンのFAは決して魅力的とは言えない。
ウィンズロウがヒート時代のようなパフォーマンスを取り戻せばローテーションは更に強化されるし、13Mの契約はトレードにも役立つだろう。
JJJのルーキー契約延長
JJJはルカ・ドンチッチ、トレイ・ヤングのカテゴリーに入るべき選手だったが、現状マービン・バグリー3世と同じカテゴリーといえるだろう。
21歳のJJJは怪我により、3シーズンで98試合の欠場をした。
ルーキーシーズンは右大腿四頭筋の怪我で離脱し、2年目は右膝の怪我で8月にシーズンアウトとなった。
そのリハビリで今シーズンは61試合を欠場した。
難しいのは、健康な時ESPNの25歳未満のトッププロスペクトランキングで17位に選ばれた選手にふさわしいように見えることだ。
2年目のシーズンではキャリアハイの平均17.4点とスリーポイント成功率39.4%を記録した。
今シーズンは4月に復帰して以来、JJJは平均23分のみの出場に留まったにもかかわらず、グリズリーズの最高の選手の一人だった。
スリーポイントは28.3%と苦戦したが、ディフェンスはよく、平均14.3点を記録した。
JJJは間違いなくグリズリーズの未来の一部であり、このオフシーズンに契約延長を結ぶか2022年に制限付きFAにするかという選択を行う必要がある。
怪我リスクを回避するために、契約にExhibit 3を含める事により以前怪我をした部位の再発時に契約が保証されない、というようにすることもできる。これはジョナサン・アイザックの契約にも含まれている。
JJJはマックス契約の選手ではないので、ルーキー契約延長はチームかJJJどちらかの妥協がないと成立しない。
現時点ではキャップスペースのあるチームとの競争はないので、グリズリーズの方が立場が強い。
契約延長が合意に至るのに必要なサラリーは、17.9Mから始まる4年80Mといったところだろう。これはアイザックがACLの断裂をした後に結んだ契約よりも11M高い。
17.9MはリーグのスターターPFの中で20番目の額であり、2022年にFAになった場合のキャップホールドよりも10M安い。
オフシーズンのサラリー内訳
デプスチャート
チームのニーズ
・健康なJJJ
・ベテランストレッチ4
・若手の継続的な育成
ロスターを強化するためのリソース
・ドラフト:2021年の1巡目、2巡目指名権
・将来のドラフトアセット:ジャズとウォリアーズの1巡目指名権
・ジャ・モラントがオールNBAレベルになる
・例外条項:MLEが9.5M、BAEが3.7M
・現金:トレードで放出、獲得に使用できる現金それぞれ5.8M
重要な日付
・ジョンテイ・ポーターの1.95Mの契約は7月20日に0.3M保証されるが、新しい年度は8月2日からであるため、この日付はそれより後に修正されるだろう。
ポーターは今シーズン右膝の痛みで39試合を欠場し、9試合の出場となった。
Gリーグでは9試合出場し、平均7.4点、4.7リバウンドを記録した。
・グリズリーズは8月1日までにウィンズロウのチームオプションを行使するか破棄するか決めなければならない
・グリズリーズは、JJJとアレンの契約延長をレギュラーシーズン開幕前日までに結ぶことができる
・ヴァランチュナス、ジョーンズ、ウィンズロウと契約延長を結ぶ場合、2022-23シーズンのモラトリアムの前日(おそらく6月29日か30日)までに結ぶ必要がある
制限事項
・アンダーソンの契約にはトレードボーナスが含まれている。ボーナスの金額は1.49M
・ウィンズロウは、チームオプションが行使されないとトレードすることができない
・ポーターをトレードする場合、グリズリーズ側のサラリー合わせは0とカウントされる
契約延長候補者
・今シーズンのグリズリーズのMVPは昨シーズンの新人王のモラントではなく、スターティングセンターのヴァランチュナスだ。
ヴァランチュナスはキャリアハイの平均12.3リバウンドを記録し、セカンドチャンスポイント5.3はリーグ1位だ。
2018年2月にグリズリーズにトレードでやってきて151試合で平均ダブルダブル(16.4点、11.7リバウンド)を達成している。
2019年に結んだ3年45Mの契約は、年々サラリーが減少するようになっている。
グリズリーズがヴァランチュナスに契約延長でオファーする事ができる初年度のサラリーは最大16.8M、総額は75.3Mとなる。
ヴァランチュナスにはラリーバード権を持てるので、来年のオフシーズンには最大マックス契約まで結ぶことができるようになる。
・JJJに加えて、ガードのアレンもルーキー契約延長の対象である。
コンリーのトレードでジャズから獲得したアレンは、今シーズン36試合にスターターで出場し、キャリアハイの平均11点、スリーポイント成功率39.3%を記録した。
グリズリーズが少なくとも2022-23シーズンまで契約を結んでいて、2022年に制限付きFAになることを考えると、MLEぐらいのサラリー(9〜10M程度)にならない限りは契約延長を結ぶ緊急性はないだろう。
・ウィンズロウ、ジョーンズ、アンダーソンも契約延長の対象である。
アンダーソンは4年37.1Mの契約の最終年であり、怪我で離脱していたJJJの代わりに今シーズンは61試合をスターターで出場した。
今までよりオフェンシブにプレーをし、フィールドゴール成功率46.3%でキャリアハイの平均12.2点、34.9%のスリーポイント成功率を記録した。
NBA.comによると、8フィート以内でのフィールドゴール試投割合は58.2%、8〜16フィートでは52.4%だった。
キャリアイヤーにもかかわらず、アンダーソンはJJJのバックアップに戻る可能性が高く、契約延長する場合は中程度のサラリーに抑える必要があるだろう。
ドラフト
グリズリーズには、今後7年間で9つの1巡目指名権がある。
自前のものは全て保有していて、ジャズとウォリアーズからの将来のものもある。
ジャズのものは、2022年にトップ6、2023年にトップ3、2024年にトップ1のプロテクトがかかっていて、2024年にプロテクトが発動した場合は代わりに2026年の2巡目指名権を譲渡するようになっている。
ウォリアーズのものは、2024年にトップ4、2025年にトップ1のプロテクトがかかっていて、2026年はノンプロテクトだ。
ESPNのジョナサン・ギヴォニーとマイク・シュミッツのグリズリーズのドラフト指名予想は、
14位(自前):Alperen Sengun PF/C トルコ
52位(ブレイザーズから):David Johnson PG Louisville
これはザック・クレイマンEVPの3回目のドラフトだ。
2019年に就任した後、クレイマンは3回のドラフト日のトレードを行い、ロスターの総を厚くした。
2019年には、2024年の2巡目指名権を用いてサンダーからトレードアップを行い、順位を2つ上げクラークを指名した。
昨年11月、2つの別々のトレードで3つの将来の2巡目指名権を放出し、30位指名権と35位指名権を獲得し、それぞれでベインとティルマンを指名した。
感想
だんだん慣れてきて早くなってきました。
日本語に変換するのもスムーズになってきました。
グリズリーズはいいチームですが、ここからコンテンダーになっていくにはやはりモラントの成長が鍵でしょうね。
結構難しい状況なので、フロントオフィスがどう捌いていくかは楽しみですね。
お読みいただきありがとうございました。