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【和訳】ウィザーズのオフシーズンの動き:ブラッドリー・ビールの行方

引用元:

www.espn.com

 

ウィザーズは1月12日の時点で既に危機的状況だった。強豪のサンズに勝ったところではあったが、チームは3勝8敗で、さらにCOVID-19によってロスターの人数が揃わないという自体に陥った。

ウィザーズが2週間の試合延期を経て復帰してからの12試合では3勝9敗を記録し、6勝17敗となりリーグで下から2番目の成績まで落ちてしまった。

 

そこから3ヶ月で起こったことは、信じられないぐらい素晴らしかった。
ラッセル・ウエストブルックのパフォーマンスはMVPクラスへ戻り、ブラッドリー・ビールはステフィン・カリーと最後まで得点王争いをし、そしてトレードデッドラインでは、決して目立ったトレードではなかったがダニエル・ギャフォードの獲得がプレーイン進出の最後のひと押しとなった。

 

6勝17敗の後の49試合でウィザーズは28勝21敗を記録し、イースタンカンファレンス8位となり、プレーイントーナメントで勝利しプレーオフに進出したが、ファーストラウンドで76ersに敗れてしまった。

 

ウィザーズのオフシーズンは、ブラッドリー・ビールの契約延長とFA(イシュ・スミス、ロビン・ロペス、ハウル・ネト)との再契約を目指すということが目標となるだろう。
現時点でタックスラインは下回っている。

 

◯ブラッドリー・ビールの進退

ウィザーズのフランチャイズプレイヤーであるブラッドリー・ビールの動向は、このオフシーズンで最も注目される事柄だろう。
ビールの契約は来シーズンで実質最終年であり(2022−23シーズンはプレイヤーオプション)、ウィザーズは直近3シーズンで勝率5割を下回っている。


この状況は、現代のNBAでスーパースターがトレード要求を行う条件が揃っていると言っても過言ではない(ハーデンがそうだった)。

ビール自身はウィザーズにいたいと主張しているが、
「ウィザーズはビールをトレードして再建するべき」
や、
「長期的に残すべき」
など噂は様々だ。

 

私はそのような憶測ではなく、今後ウィザーズと選手たちが直面する状況と選択肢について整理し、解説していく。


状況

 

ビールはウィザーズにいたいと思っている。


ビールは3月にUndefeatedのマーク・スピアーズにこのように語った。

 

俺は変化が嫌いだ。実際は不可抗力もあるだろうが、俺がコントロールできるのであればDCでキャリアを終えるだろう。逃げるのは簡単だけど、そうして勝てるという保証もどこにもないからね。 

 

このコメントから、ビールが2016年に結んだ4年契約が2年残っていたにもかかわらず、2019年に2年70.1Mの契約延長を結んだ理由がわかるだろう。
契約延長を結んでいなければ、このオフシーズンに無制限FAになることができたからだ。


契約延長の直前のシーズンでウィザーズは32勝50敗を記録していたが、その時点でビールがプレーオフに進出できなかったのはまだ2回目だった上に、ジョン・ウォールはシーズンの大半を欠場していた。


GMのトミー・シェパードはビールがウィザーズにいたいと思っている気持ちをさらに強くさせたいところだが、今シーズンはプレーオフに進出するもすぐに敗退してしまった。
ただそのような中でも、ポジティブな要素は多くあった。


このロスターがオールスター後に素晴らしい成績を残したことを考えると、オフシーズンの地味な動きでもイースタンカンファレンスのトップ5になってもおかしくないのではないか。
トレードデッドラインでのギャフォードの獲得は、ロスターを補完するための人材を注目されていないところからでも見つけることができるという証明になったのではないだろうか。


ビールは2022−23シーズンまで契約を結んでいるウエストブルックとも良い関係を築いており、ビールと同様にこのオフシーズンに契約延長の資格がある。

ビールはウエストブルックについてこう語っている。

あの人は凄い。あの人のバスケの試合に対する姿勢が俺の助けになったし、チームが良くなった理由だね。あの人の責任感は凄まじい。想像を絶するレベルで自分を追い込むんだ。


もちろんウィザーズの今後の成功はデニ・アブディヤ(2020年9位)、八村塁(2019年9位)、今年のドラフトで指名する選手の育成にかかっている。

2022−23シーズンにはウエストブルックとビールに合計90M近くをも払うので、前述したルーキースケールの選手を主力級へと育成するか、トレードして実力のある選手を獲得する必要があるだろう。


スコット・ブルックスについてはどうだろうか。

ブルックスは契約最終年であり、ビールは将来のヘッドコーチが誰であるか気になるところだろう。

ブルックスは今シーズン、逆境を乗り越えてチームを上手く導いて来たので、ビールはウィザーズがどの方向に向かうのか、ブルックスは長期契約で残留させるのか、別のHCを探すのか相談すべきであろう。

ビールがトレード要求をしなくても、2022年のオフシーズンにビールがプレイヤーオプションを破棄すればウィザーズを出ていくことができるが、今オフに契約延長を結ぶより2022年に再契約を結ぶほうが総額で54M多くのサラリーを得られるので、
そのためにビールは今オフに契約延長を結ぶことを見送るという選択肢もある
(解説:契約延長は残っている契約含めて5年までしか結ぶことができないが、再契約の場合は5年契約ができる)。


見返りなしで出ていかれるリスクを負ってビールをキープするか、トレードするか、これはウィザーズのフランチャイズの命運を左右する重大な決定になるだろう。

契約延長

ビールは2022−23シーズンでにNBAキャリア11年目となるので、サラリーキャップの35%の契約延長を結ぶことができるようになる(1〜7年目は25%、8〜10年目は30%)。契約延長が結べるようになるのは10月17日からだ。

2022−23シーズンに始まる4年間の延長(プレイヤーオプションは上書きされるとする)の初年度のサラリーは40.5Mで、契約全体では181.5Mになる。

ところが2022年にFAになるのを待って契約を結ぶ場合には、最大で5年235Mを得られるので、総額で54Mの差がある。

今オフ4年の契約延長を結ぶ場合の総額は、2022年のオフシーズンにキャップスペースを持っている他チームが出せる4年契約のオファーよりわずか7M多いだけなので、そういった意味では現時点で2022年のオフにキャップスペースが生まれるチームと立場は変わらないと言ってよいはずだ。

それでもビールはお金が全てではないし、リングを追いかけることもないと繰り返しl明言している。

俺はデイミアン・リラードみたいなものだ。ポートランドで優勝すること、DCで優勝することには大きな意味があると思っている。俺はそうやって強くなってきた。

 

トレード


もしビールが突然ウィザーズにいたくないと言ったとしても責めることはできないだろう。

ウィザーズはビールを中心に強いロスター構築するのに9年かかったが、今の所成功しているとは言い難い。

ビールが2012年にドラフトされて以来ウィザーズは5回プレーオフに進出したが、カンファレンスセミファイナルを突破したことはない。

ビールがもしトレード要求をしたら欲しいチームはたくさんあるだろうが、2022年にFAになる可能性があるのでハーデンの時の複数の1巡目指名権、スワップ権、若手選手のような対価を得られるとは限らない。

ニックスにはRJ・バレットとウィザーズを満足させるような指名権を持っている。
ただニックスは2011年にカーメロ・アンソニーで同じような状況でトレードを行い失敗したという経験がある。ニックスは2022年にビールと契約可能なキャップスペースを生み出せる可能性があり、多くの対価を払ってまで獲得したいと思うとは考えづらい。

グリズリーズはオールNBAプレイヤーがFAで行くようなチームではなく、多くの指名権(7年間で9個)と安価な契約の若い選手(ディアンソニー・メルトン、ブランドン・クラーク、ディロン・ブルックスなど)を複数人所有しているので、一見有力な候補に思えるだろう。

だが2022年にビールがFAでチームを去るリスクがある。そう考えたときに、グリズリーズにとってビールの獲得はリスクに見合った価値があるだろうか。

ハーデンがトレードされたときは、残りの契約が3年(プレイヤーオプション含めて)あったうえに、ネッツはハーデンの希望の移籍先のリストの1つだった。

ウィザーズが最大限の見返りを得るには、ビールがFAになった時に再契約をするチームである必要があるだろう。



ラグジュアリータックス


ウィザーズは今シーズン、チームサラリーはラグジュアリータックスラインを超えるぎりぎりのところだった。
来シーズンも同じような感じになるだろう。
2人の選手に80M(ウィザーズのチームサラリーの61.5%)を支払っているのでそうなってしまう。

1巡目指名選手のサラリーを含めると、オフシーズンが始まる前の時点でタックスラインをわずかに9.7M下回った状態であり、ロビン・ロペス、イシュ・スミス、ギャリソン・マシューズ、アレックス・レン、ハウル・ネトとの再契約が優先事項となるだろう。

5人の選手は全員、シーズン中にその価値を高めているといえるだろう。

・マシューズは今オフ2way契約を満了する。今シーズンは約60試合に出場した(スターターは22試合)。役割が減ったにもかかわらず38.7%のスリーポイント成功率を記録した。マシューズは制限付きFAになる資格があり、2シーズンウィザーズのロスターにいたので、アーリーバード権を獲得した。

・ネトとスミスは今シーズンベンチから(2人合わせて)平均15得点、6.1アシストを記録した。またネトの平均出場時間21.7分はキャリアハイだった。

・ロペスは今シーズン全ての試合でプレーをし、5試合でスターターを務め、プレー面とベテランのリーダーシップの両方で素晴らしい貢献をした。平均19.1分の出場で平均8.8得点、3.9リバウンドを記録した。

・レンは、たった7試合の出場でラプターズを解雇されたあとウィザーズで居場所を見つけた。今シーズン36試合の出場で平均8.4得点、4.9リバウンドを記録した。

ACLを断裂したトーマス・ブライアントの復帰とダニエル・ギャフォードのプレーにより、上記のいずれかの選手がミニマム以上のサラリーを求めている場合ロペスかレン、あるいはその両方を残すことが難しい可能性がある。


◯オフシーズンのチーム状況

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〇〇バード…自チームからのFA選手とサラリーキャップを超えて再契約できる権利のこと。ラリーバードはマックスまで提示できアーリーバード、ノンバードと小さくなっていく。ひとくくりにバード権とも。


◯◯ホールド…前述のバード権を用いた契約や、1巡目指名選手とサラリーキャップを超えて契約する権利を持っておく際にキャップスペースをその分使えなくしておくための仮計上分のサラリー。

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デプスチャート(そのままですまん)

チームのニーズ

・アブディヤと八村のステップアップ

・ベンチからのウイングディフェンダー

・PG、SG、SF、Cの層を厚くする

ロスターを強化するためのリソース


・ドラフト:1巡目

・例外条項:5.9MのミニMLE

・選手育成

・現金:トレードで受け取り、放出にそれぞれ5.8Mまで

重要な日付


・8月7日…アンソニー・ギルの1.5Mの契約が保証される。
28歳のギルは21試合(スターター2試合)に出場し、平均6.8分、2.2得点を記録した。4月下旬のスパーズ戦ではキャリアハイの13得点を13分で獲得したが、チームは敗北した。

・1月7日…ダニエル・ギャフォードの無保証の契約が全て保証される

制限事項

 

・2021年の指名権は1巡目のみトレードできる。プロテクトをかけることはできるが、譲渡を後ろのシーズンに持ち越しにすることはできない(2023年の1巡目指名権を持っていないため)。

・ブラッドリー・ビールの契約には15%のトレードボーナスが含まれている。

・ダニエル・ギャフォードとアンソニー・ギルの無保証契約は、完全保証されるまでトレードのサラリー合わせでは0Mとカウントされる。

契約延長候補者

 ・ラッセル・ウエストブルックは契約延長よりも別のトレードでサラリーダンプを行うか、バイアウトの可能性が高いと見られていた。
ジョン・ウォールとトレードした上で残った130Mの契約は不良債権と言われていた(クリス・ポールのときも同じように言われていた)。
現在ウエストブルックはウィザーズでオフシーズンを迎え、平均トリプルダブル(直近5シーズンで4回目)を記録し、平均リバウンドとアシストでキャリアハイを記録している。
新しい契約が始まる年に34歳であることを考慮すると、ウィザーズがウエストブルックとの契約延長を結ぶ可能性は低いが、延長の資格自体はある。
今後2年間で支払う44.2Mと47.1Mに加えて3シーズン追加することができる。初年度の金額はミニマムから49.5Mまで自由だが、最終年の47.1Mの契約はプレイヤーオプションのため、破棄した上で契約延長を結ぶ場合は47.1M以上でなければならない。

・ウィザーズは、ブルズがトレードでギャフォードをくれたことだけでなく、2019年に2巡目指名をしたギャフォードにお得な4年6.1Mの契約を結んでくれたことにも感謝するべきだ。
ギャフォードはほぼすべてのスタッツでキャリアハイを記録し、ウィザーズでは9.9点、5.7リバウンドを記録した。
4年契約なので、契約から2年経過する今オフから契約延長を交渉することができる。初年度(2022−23シーズンか2023−24シーズン)の最大額は12.5M(推定平均サラリーの120%)で、残っている契約含めて5年まで可能。
選択肢として、延長をせずに2022−23シーズンのチームオプションを破棄し、制限付きFAにしてから新しい契約を結ぶというものがある。
こうすることによって、ギャフォードのFAホールドが2Mであることを利用しキャップスペース(あれば)を有利に使うということができる。
チームオプションを行使して2023年にFAになる場合、ギャフォードは無制限FAになる。(解説:1巡目指名選手以外は、NBA在籍3年以内にFAになる時に制限付きFAにすることができる。ギャフォードの場合チームオプションを行使するとNBA在籍4年になるので無制限FAとなる。)

・トーマス・ブライアントとチャンドラー・ハッチソンも契約延長の資格がある。
ブライアントはACLを断裂したため、契約延長を結ぶ可能性はほぼないといえるだろう。
ハッチソンは、ブルズからギャフォードを獲得したトレードの一部だった。2018年にブルズから1巡目指名を受けたが73試合を欠場しており、契約延長を結ぶのに十分な働きをしたとは言い難いだろう。
ハッチソンとの契約延長は、レギュラーシーズン開始前日までに結ぶ必要がある。(解説:ルーキースケール契約の選手は4年目のモラトリアム明けからレギュラーシーズン開幕前日までの間でしか契約延長を結ぶことはできない。)

 

ドラフト

 

ウィザーズは15位指名権のみを持っている。2巡目指名権は5年前にジャズにトレードし、最終的にペリカンズが持っている。

ウエストブルックのトレードの際に、2023年のプロテクト付き1巡目指名権をロケッツにトレードした。

プロテクトの内容は2023年ロッタリープロテクト、2024年トップ12、2025年トップ10、2026年トップ8、2026年のプロテクトがかかった場合は2026年と2027年の2巡目指名権を変わりに譲渡する、というものだ。

ESPNのジョナサン・ギヴォニーとマイク・シュミッツのモックドラフトでは

15位(自前):Usman Garuba, PF, Spain

GMのシェパードは就任してからドラフト当日のトレードを1度行った。
昨年、アドミラル・スコフィールドと37位をサンダーにトレードし、53位(カシアス・ウィンストン)とグリズリーズの2024年の2巡目指名権を獲得した。

 

感想
他チームのやつは知らない情報があったりして、より難しいですね…
翻訳は初心者で、練習でやっているようなものなので怪しい部分がありますし、読みやすさ重視の相当な意訳なので内容は参考までに…

今のウィザーズは2017年頃のペリカンズとサラリー状況が似ていて、同じような状況でペリカンズは満足に補強できず解体へと向かっていったんですよね。ウィザーズはそうならないといいですね(適当)